殻ノ少女 (1)
- お待たせしました。先週発売されたイノセントグレイの新作「殻ノ少女」、はじめました。
- ストーリー紹介。――時は昭和31年、東京。探偵業を営む青年・時坂礼人(ときさか れいじ)は、元同僚である刑事・魚住から ある猟奇殺人の捜査協力依頼を受ける。そして同じ頃、妹・紫(ゆかり)が通う櫻羽女学院の教頭から、行方不明になった学生の捜索を依頼されるのだが、やがてそれらの事件は複雑に絡み合い…。という物語。序中盤以降は、櫻羽女学院に臨時講師として潜入したりもします。
- 前々作「カルタグラ」(長文感想はこちら)のキャラクタが多く登場するので、ちょっとしたファンディスク風味でもあります。現時点で、「カルタグラ」の主人公&メインヒロイン、遊郭「雪白」の少女・初音あたりを確認済。…例えがアレだけど、「カルタグラ」を「EVE burst error」だとしたら、本作は「EVE The Lost One」くらいのイメージかな。
- かなり「正統派探偵小説」を意識した作りになっている感。各章のタイトルも、江戸川乱歩の作品名由来だしな。
- 基本的には、「1日が始まる」→「ストーリーが自動的に進む」→「2回程度の自由移動」→「1日が終わる」システム。時々、会話中などに選択肢が現れたり、推理パートが現れたり(後述)、事件現場では別システムになったり(後述)もする。
- 「探偵手帳」に随時情報(人物、証拠品、相関図…etc.)が更新されたり、重要な場面(推理パート)で「これだ!」という手がかりを手帳内からチョイスしたり、結構「捜査感」があって良い。
- 「現場が1枚絵で表示されて、気になるポイントをクリックして、証拠や情報を収集する」という 懐かしくもオーソドックスな捜査システムも導入されている。…でも、これ、ちょっと微妙かな。クリック回数の制限等はなさそうだし、当たり判定がない(甘い?)っぽくて、たぶん「必要そうなところを全部クリックしたら、自動的にストーリーが進む」んじゃなかろうか。あんまり意味なさげ。
- 個人的には、舞台が武蔵野だというのが嬉しい。かなり近所の地名がポンポン出てくる!ワクワクドキドキ!
- 「見立て」風味の殺人現場といい、「見立て」の元ネタとなっているものといい、猟奇的だけど美しさすら感じる犯行シーン(犯人視点)といい、事件はとても魅力的です。
- 進捗状況は…ええと、遺棄された女性を3体(+拠点っぽいところで1体)発見して、公園の洞窟に駆けつけて、Gameover(入院エンド?)になったあたりまで。犯人当てもなー、まんまとスケープゴートを選んじゃってたりしそう。まだまだ見えてこない部分が多い。
- パケ絵にもなっているメインキャラのひとり 朽木冬子(くちき とうこ)嬢は、ちょっと想像とは違うキャラだった。もっとクールビューティーなのかと思っていたのだけど、実際は「静かだけど、悪戯っぽい」キャラ。まぁ、これはこれで悪くはない。(超余談ですが、イノセントグレイ作品は、メインヒロインが長髪のひとばかりなのが非常にナイスだと思う。長髪大好き)
- 総合的に、キャラクタは やや弱めかな?主人公からして、前作「PP ピアニッシモ」(長文感想はこちら)のようなダメダメさはないものの、個性があまり感じられない*1。…今作はかなりシリアスだから、その辺のバランスが難しかったのかも。
- CGに関しては、例によって極上級。この先 もし仮にストーリーがぐんにょりしたとしても、CG目的にコンプを目指せそうなくらい。
- 音楽に関しては、前作・前々作に比べると、やや魅力に欠ける印象。…まぁ、前々作と前作は神懸かってたから…。
*1:まだ誰ともラヴラブになっていないので、今後 印象が大きく変わる可能性もあるよ